PRのネタは、向こうからはやって来ない
「うちには話題になるようなネタがない」——中小企業の経営者からよく聞く言葉だ。だが実際には、記者が「ニュース性がある」と判断する要素は決まったパターンに分解できる。自社の情報をこの7要素に当てはめて棚卸しするだけで、PRのネタは見えてくる。
記者が食いつく7つの要素
- 新規要素:これから始まる新しいサービス、製品、ビジネスモデルなど
- 季節要素:ゴールデンウィーク、夏休み、母の日など季節性のある情報。単なる情報発信でもニュース性は薄いが、特定の季節・行事にテーマを特化させるとニュース性が高まる
- 時流要素:社会的な話題、時事性の強いテーマと関連づいた情報。大きな政治・国際情勢だけでなく、生活者の間で話題になっている事柄との関連づけも含まれる
- 実利要素:情報の受け手にとって実利性が高い情報。価格改定、キャンペーン情報などが該当する
- 技術要素:今まで不可能だったことを可能にする技術。サービスそのものよりも、その技術力を前面に打ち出す方がニュース性は高くなる
- 大成要素:今は小さくても、将来大きく育つ可能性を感じさせるサービス・製品・企業。将来性を感じさせる要素を盛り込んだ情報はニュース性が高い
- 実績要素:既に始まっているサービスでも、市場占有率・会員数・売上などの具体的な数値をともなう実績はあらためて注目される
中小企業でもできる棚卸しの視点
大きなニュースがなくても構わない。たとえば、
- 今期から始める小さな新サービス(新規要素)
- 父の日・母の日に合わせた商品企画(季節要素)
- 値上げラッシュの中で価格を据え置く取り組み(実利要素・時流要素)
- 創業◯周年、会員数◯人突破といった節目(実績要素)
のように、日常の中にある小さな出来事を、7要素のどれかに当てはめて言語化するだけで、立派なPRネタになる。
ネタが決まったら、あとは届けるだけ
ネタを見つけたら、前回のコラムで紹介した「ネットPR」で配信してみる、あるいは業界紙・専門誌の記者に直接情報を届けるところから始めればいい。ネタ自体の質と、届け方の技術は別物であり、どちらも磨く価値がある。
執筆者:六角健二
1987年より東急電鉄系広告会社で企画営業として、ソニー系のプロジェクトをハンドリング。2000年に米国ストラテジックインターネットサービスプロバイダーとのジョイントベンチャー設立メンバーとして参画。2002年からは取締役クライアントパートナーとして、大手企業のブランディングやWebマーケティングに従事。2007年よりIMC型広告コンサルティングを経て、2013年に株式会社エルテックスに入社。エルテックスでは、自社製品のUI開発やECサイトのリニューアルプロジェクトに参加。2020年に株式会社A5bpを設立し代表取締役に就任、以降中小企業のブランディングやマーケティング&コミュニケーション支援に専念している。