PR会社に高額な契約をしなくても、PRは始められる
PR会社とリテナー契約を結んで本格的なメディアリレーションズを築くのが理想ではあるが、中小企業にとって毎月まとまった費用を払い続けるのはハードルが高い。そこでまず検討したいのが「ネットPR」だ。
ネットPRとは、プレスリリースをネット経由で配信し、契約先のニュースサイトやポータルサイトがそのリリースを転載する仕組みを指す。大きく3つの手段がある。
- ネット上のニュースサイト・ポータルサイトへの記事掲載保証
- ネットPR会社が運営するPRポータルサイトへの半永久掲載
- 既存メディアのデスクへ、メールやFAXで直接記事を送付する
ネットPRの5つのメリット
- 効率的な認知拡大:少ない予算(数万円程度から)で、ブランド・サービス・製品の告知ができる
- サイトアクセスの向上:告知記事から自社サイトへのアクセス増加が見込める
- SEO効果:ニュースサイトやポータルサイトから自社サイトへのリンクが生まれ、検索結果の品質向上につながる
- ソーシャルメディアへの波及:掲載記事がSNSに転用され、さらに拡散する可能性がある
- PR作業の効率化:投げ込み用レターの作成、郵送の封入・発送作業を省略できる
特に中小企業にとって大きいのは、「今までPRできなかった小さなネタでも、低予算で効率的にPRができる」という点だ。大企業のように大きなニュースがなくても、自社の様々な情報を積極的に発信できるようになる。
プレス発表という選択肢
ネットPRに加えて、業界紙・専門誌の記者を集めたプレス発表も有効な手段だ。スポットでの記事露出そのものも重要だが、それ以上に価値があるのは記者と継続的な関係を築けることにある。
業界紙・専門誌は大半が少人数で運営されており、広告・編集・記者を兼務していることも多い。一度懇意になれば、継続的な露出だけでなく、業界のトレンドといった裏情報を教えてもらえることもある。テレビ露出を専門にするPR会社が「メディア担当者とは公私混同するくらいがちょうど良い」と語るように、メディアとの関係は本質的にウェット(人間関係ベース)なものだ。
まず何から始めるか
いきなり記者と関係を築くのは難しくても、ネットPRの配信サービスなら、思い立ったその日から始められる。以下の順番がおすすめだ。
- 「PRになりそうなネタ」を1つ洗い出す(次のコラムで詳しく解説する)
- ネットPR配信サービスで1本配信してみる
- 掲載結果とサイトへのアクセス変化を確認する
- 反応が良ければ、業界紙・専門誌へのプレス発表に発展させる
1987年より東急電鉄系広告会社で企画営業として、ソニー系のプロジェクトをハンドリング。2000年に米国ストラテジックインターネットサービスプロバイダーとのジョイントベンチャー設立メンバーとして参画。2002年からは取締役クライアントパートナーとして、大手企業のブランディングやWebマーケティングに従事。2007年よりIMC型広告コンサルティングを経て、2013年に株式会社エルテックスに入社。エルテックスでは、自社製品のUI開発やECサイトのリニューアルプロジェクトに参加。2020年に株式会社A5bpを設立し代表取締役に就任、以降中小企業のブランディングやマーケティング&コミュニケーション支援に専念している。